フィルターの湯通し(リンス)する理由/しない理由[コーヒードリップ]

ORIGAMIドリッパー(ウェーブフィルター) 技術

リンス(ペーパーフィルターの湯通し)していますか?
コーヒー好きの間でもする派としない派に分かれます。
リンスする理由/しない理由をまとめましょう。

リンスする理由

リンスする派も多いです。
彼らがリンスする理由は下記のようなもの。

  • ペーパーフィルターの臭いを取り除くため(重要!)
  • ドリッパーを温めるため

1つずつ説明します。

ペーパーフィルターの臭いを取り除くため(重要!)

リンスする理由の中でも代表的なのは「ペーパーフィルターの紙臭さを落とすため」です。
臭いを完全に落とそうとすると相当な量のお湯が必要という話もありますが、完全に落ちなくてもコーヒーの香りに紛れる程度まで落とせば良い訳なので、よほど神経質でなければそこまで大量のお湯でリンスしなくても大丈夫だと思います。

ドリッパーを温めるため

ドリッパーの素材によるのですが、例えば磁器製のドリッパーだとドリップ中にお湯の温度を奪ってしまいます。
お湯の温度が下がると抽出効率が低下し、成分が十分に抽出できなくなってしまいます。

そんなとき、リンスして予めドリッパーを温めておくことで、お湯の温度低下を防ぎます。

ドリップ

ただし、この目的なら、ドリッパーさえ温められれば、ペーパーフィルターに湯通しする意味はありません。
ペーパーフィルターを乗せる前にリンスしてドリッパーを温めて、その後ペーパーフィルターを乗せても良いですね。

リンスしない理由

リンスしない派も多いです。

リンスする理由で挙げたことを気にしないから」というのも理由です。
つまり、下記のような理由ですね。

  • 加工技術の向上によりペーパーフィルターの紙臭さが薄くなったから
  • ドリッパーを温める必要性を感じないから

さらに、下記のように「より美味しく淹れるために」リンスしないこともあります。

  • ペーパーフィルターに最初に触れるのがお湯だと、その後コーヒーオイルをはじいてしまうから(重要!)
  • ドリップ前に抽出が始まってしまうのを避けたいから

これだけ読むと意味不明なものもあると思いますが、1つずつちゃんと説明しますよ。

加工技術の向上によりペーパーフィルターの紙臭さが薄くなったから

昔はペーパーフィルターが紙臭かったのですが、加工技術の向上により臭いは減ってきました。
それに伴い、臭いの軽減のためにリンスをする人は段々と減っていると思います。

今でもどうしても臭いのあるフィルターはありますが、それ以外についてはリンスしない方も多いです。

ドリッパーを温める必要性を感じないから

ドリッパーの素材によってはお湯の熱を奪い難いこともあります。
例えば樹脂(プラスチック)製ドリッパーなどは熱を奪い難いため、リンスで温めてもさほど意味はないでしょう。

ペーパーフィルターに最初に触れるのがお湯だと、その後コーヒーオイルをはじいてしまうから(重要!)

リンスしたペーパーフィルターはコーヒーオイルを通し難くなってしまうのです……と書いても意味不明ですので、順を追って説明します。

「水と油」は馴染まないものの代表です。

水と油

ペーパーフィルターは大抵の液体を通します。
お湯(水)を注いでも、仮に油を注いだとしても、ペーパーフィルターを透過します。

しかし、例えばお湯でリンスして、次に油を注いだら、どうなると思いますか?
答えは「お湯でコーティングされたペーパーフィルターに油がはじかれて、油は透過しない」です。

コーヒーには油(コーヒーオイル)が含まれ、さらにこのコーヒーオイルには親油性成分、つまり油に溶ける(お湯には溶けない)成分が溶け込みます。
これがコクや芳醇な香りの元になり、多くの場合、肯定的に受け取られます。

しかし、リンスした場合には、その後のドリップでコーヒーオイルがペーパーフィルターから外に出難くなってしまうのです。

仮に、お湯に白、コーヒーオイルに黒、と色を付けられるとして、リンスすればペーパーフィルターは全面真っ白ですが、リンスせずにドリップすればおそらく白黒の斑模様になるでしょう。
オイルを多く含んだコーヒーを淹れたい場合、斑模様の黒い部分をできるだけ多くすることを目指して、「リンスはせずに」じっくりドリップすることになります。

ドリップ

ドリップ前に抽出が始まってしまうのを避けたいから

リンスしたペーパーフィルターにコーヒー粉を入れると、粉とペーパーフィルター(に染み込んだお湯)が触れ合う僅かな部分のみではありますが、抽出が一足早く始まってしまいます。
コーヒーを淹れる際、しっかりと時間を測ってドリップする方は多くいます。
そんな慎重派の方からすると、勝手に抽出が始まってしまうと予定が狂うわけですね。

ただし、ドリッパーだけをリンスして温めたら水分を拭き取って、その後ペーパーフィルターをセットしてコーヒー粉を入れる、という手順を辿れば、ドリップ前に抽出が始まることはありません。

最後に

いかがでしたでしょうか。
コーヒー好きの間でも、する派としない派で意見が分かれる「リンス」が今回のテーマでした。
ドリップの狙いを持った上で「リンス」をうまく使って(あるいは使わずに)、理想の味を追求していきましょう。

リンス

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