金継ぎに挑戦③[欠けの補修:黒色漆・弁柄漆塗りと金粉蒔き]

金継ぎ(欠け部分の充填) 技術

金継ぎに挑戦①では、基本と前準備について書きました。

金継ぎに挑戦②では、欠け部分を刻苧(こくそ)漆と錆(さび)漆で埋めました。

「金継ぎに挑戦」最後の記事となる今回の③は、塗りと――いよいよ金粉を蒔く工程です。

下記の金継ぎキットを使います。

黒色漆塗り

黒色漆作り

練って水分を飛ばした生漆に黒粉を混ぜ,黒色漆を作ります。

黒色漆作り

塗り

黒色漆を筆にとって薄く――厚くしてしまうと皺になるとのこと――塗ります。

黒色漆塗り

漆風呂

漆風呂に入れて1日以上待ちます。

漆風呂

漆風呂については①で書きました。

水研ぎ

1日と少し経って黒色漆が固まりましたので、水研ぎしま
耐水ペーパーに時々水を付けつつ磨いて、黒色漆の表面を滑らかにします。

水研ぎ

弁柄漆塗りと金粉蒔き

弁柄漆作り

生漆を練って水分を飛ばし、弁柄粉を混ぜて弁柄漆を作ります。

弁柄漆作り

塗り

弁柄漆を筆に取って塗ります――これも薄く、です。

弁柄漆塗り

この後の工程でいよいよ金粉を蒔くのですが――金粉が混ざった弁柄漆が固まることで定着します。
弁柄漆を厚く塗ってしまうと、そこに沈み込んだ金粉が無駄になってしまいます。
高価な金粉はできるだけ消費量を抑えたい訳で、これを理由に弁柄漆は薄めに塗ります。

少しばかり待ってから(今回は30分待ちました)、いよいよ次の金粉を蒔く工程に移ります。

金粉蒔き

まずは真綿に金粉を付けて、それを優しく弁柄漆の上に乗せていきます。

金粉

こんな感じでしょうか?

金粉蒔き

珠洲焼や備前焼のように釉薬を使わない器(表面ザラザラ)の場合、金粉を付けたい箇所の周囲には金粉が付かないようにマスキングしておくとベターです。

金粉を蒔く工程以外でも、表面がザラザラの器の場合には、漆などを塗りたい箇所の周囲をマスキングした方が良いといった説明が「手順書」に書いてあります。
実際、今回使用した金継ぎキットではマスキングテープもセットになっています。

私が修復している器のうち黒っぽい方は珠洲焼で釉薬を使っていないため、マスキングした方が良いことは作業前から分かっていたのですが……マスキングしない場合にどの程度金粉が付くかを知りたいと考えて、今回はあえてマスキングしませんでした(よって、今回金粉を蒔きたい箇所の周囲にも金粉が付いたのは自己責任で、決して製品のせいではありません)。
その結果、金粉を蒔きたい箇所の周囲にも後で落とすのが大変なくらい金粉が付く(下記写真)ということがわかりましたので、次の機会にはマスキングします。

金粉

金粉を蒔きたかった箇所の周囲の余計な金粉は結局落としたのですが、これについては後述します。

漆風呂

漆風呂に入れて1日以上待ちます。

漆風呂

マスキングしていなかったため、金粉を蒔きたい箇所の周囲に余計な金粉が付いたという話を先述しました。
漆風呂に入れて金粉が混ざった弁柄漆が定着した後、金粉を落としたくない箇所を覆ったうえで水洗いして余計な金粉を落としました(下記写真の状態になりました)。

非常に頑張って洗うことになりました。
そもそも高価な金粉を洗い落とすのは非常に辛いです。

「手順書」でも、この工程に限らず、必要に応じてマスキングするよう勧めています。
私は今回どの程度金粉が付くのか知るのが目的であえてマスキングしなかっただけなので全く後悔はありませんが、次の機会にはマスキングします。

本来洗い落としたかった金粉も未だに少々残っていますが、あとは器を使って、その度に洗っていれば落ちていくだろうと思っています。

金継ぎ完了!

金継ぎによる欠け部分の充填が完了しました。

金継ぎ(欠け部分の充填)

上の写真の左側のマグは金色が馴染む色合いですね。

マグの欠け部分修復

小さな欠けでも欠けていれば気になりますから、修復できて嬉しいです(*´ω`)

今回修復した器のうち黒っぽい方(ソーサー)は裏(下写真左)の方が大きく欠けていて、表(下写真中)から見ると金色部分が小さいですが、ソーサー(やセットのカップ)が黒いため小さくても金色は映えます(下写真右)。

ソーサーの欠け部分修復
左がソーサー裏面、真ん中が表面です。右はカップと一緒に置いたときの写真で、小さな金色が見えます。

金継ぎには多くの工程がありますが、私の主観では思ったより手間はかからなかったという印象です。
漆風呂に入れて待つ時間が長いですが、1日に要する時間は短くて済みますから、ちょっとした隙間時間などに取り組んで後は翌日以降の自分に任せることができます。

今回は弁柄漆を塗って金粉を蒔いていますが、どうやらこれは金粉の発色を良くするためのようです。
調べてみたところ、黒色漆の上に金粉を蒔く方法もあるようで、その場合は落ち着いた格好良い雰囲気に仕上がるみたいですよ。

金継ぎはカップ・マグやソーサーだけでなく、磁器製ドリッパーにも使えるはずです。
幸いにも私は今のところ磁器製ドリッパーを割ってしまったことはありませんが、割れてしまった場合にも修復の方法があれば積極的に使えますよね。

カップなどの器でも、磁器製ドリッパーでも、金継ぎした際の色合いを考えて選ぶと、修復しながら長く使えます。
ブラウン、ベージュなどの色合いだと金色が比較的馴染み、ブラックなどの暗い色だと金色が映えそうです。
色を選ぶのがより楽しくなりますね。

今回使用した金継ぎキットには、今のところ何も不満などはありません。
とても良い製品でした。
買ってよかった(*´ω`)
最後にもう1度リンクを貼って終わります。

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