コーヒーを淹れる水、どうしていますか。
水道水で良いの? こだわりの水じゃなきゃダメ?
コーヒーにこだわると気になってきますよね。
本記事では、色々な角度からコーヒー用の水選びを提案します。
コーヒーの味を引き出す水
豆から味を引き出す水
マグネシウムを多く含有する水は抽出力が高く、コーヒーの酸味や苦味を強く引き出します。
また、カルシウムはコーヒーのコクを引き出します。
私は以前こんな勘違いをしていました。
「水に混ざりものがない方がコーヒーの成分が溶け出す余地が大きいはず。よって純水がベストだ」
これは、繰り返すようですが、勘違いだったようです。
ただし、ミネラル含有量があまりにも多い水にはコーヒーの成分が溶け出す余地がない、という点だけなら正しいかもしれません。
軟水が良い?
コーヒーには軟水が適しているとよく耳にします。
軟水か硬水かは「硬度」によって決まります。
硬度は水1L当たりにどの程度(何mg)のカルシウムやマグネシウムといったミネラルを含むかで表され、0~60mg/Lだと軟水、60~120mg/Lだと中軟水です(軟水と中軟水をまとめて軟水と呼称することがあるようです)。
硬水と呼べるほどミネラルが含有されていると、コーヒーの味が過抽出になるでしょう。
硬水の中でもミネラル含有量が特に過多な場合、コーヒーの味が未抽出になるかもしれませんね。
軟水がコーヒーの味を適度に引き出すという考えは、確かに正しいと思います。
ただし、軟水がコーヒードリップに適している理由の最たるものは「日本の焙煎店が、焙煎後の味見で日本の水を使うから」だと考えられます。
日本の水は多くが軟水であるため、場合によっては焙煎士当人も気づかぬままに、軟水で淹れて美味しくなるように焙煎していると考えられます。
水道水で十分?
「コーヒー抽出には水道水で良い」「日本の水道水は十分に美味しい」などとよく耳にします。
地域にもよるのかもしれませんが、庭で猪に威嚇されるくらい田舎な私の地元の水道水は確かに美味しいです。
昔(大学院生時代)住んだ都会の水道水が臭った経験があるので、全ての水道水を肯定するのは怖いのですが、コーヒー抽出に使えないような水道水は日本では珍しいのではないでしょうか?
さらに、軟水が良い?でも書きましたが、焙煎店が味見に水道水を使っているなら、購入者も水道水を使えば焙煎店の狙った味わいに近づくはずです。
焙煎店によってはこだわりの水で味見するかもしれませんが、こればっかりは各焙煎店に聞いてみないと実際のところはわかりません。
ただ、極端な話、1本1万円を超えるようなミネラルウォーターで味見して美味しいコーヒーを焙煎されても、焙煎士が想定している味を自宅で再現できるお客さんはまずいないでしょう。
遠方からお客さんが集う一部の超有名店やオンラインショップを除き、多くの焙煎店で常連客のほとんどはご近所さんです。
であるならば、焙煎店のある地域の水道水で淹れて美味しいコーヒーを焙煎できるのが優れた焙煎店と言っても過言ではない……かもしれません。
とはいえ、家庭でコーヒーを淹れる際に水道水の塩素(カルキ)臭が気になることもあると思います。
そんな場合は、下記のような浄水型ウォーターサーバーが使い易いです。
ウォーターサーバーは大きなタンクが定期配送されるイメージかもしれませんが、この製品は「浄水型」であり、各家庭で水道水を補充することで浄水を利用できます。
各地域の水道水が使えますから、地元の焙煎店のコーヒー豆で淹れる際は特におすすめです。
お湯も出せるのがズルい(褒め言葉)ですね。
自室・リビング・吹き抜けなどにコーヒースペースを作った場合、コーヒーを淹れる度にケトルやポットを持って台所まで水を汲みに行くのは面倒です。
このウォーターサーバーを設置すればその手間はなく、またお湯も簡単に確保できます。何それズルい(2回目)。
それ自体が美味しい水
ここまでは「コーヒーの味を引き出す水」について書いてきましたが、ここでは「それ自体が美味しい水」について考えてみます。
カルシウムやカリウムは水をまろやかにし、それが美味しさに繋がります。
ただし、含有量が多すぎると苦味や渋味を感じます。
また、比較的水に多く含まれるマグネシウムや、他のミネラル(鉄分、マンガンなど)の含有量が多すぎる水にも苦味、渋味を感じます。
どうやらミネラルを適度に含む水が美味しいと言えそうです。
コーヒーの好みに個人差があるように水の好みも千差万別ですが、極端にミネラルを多く含んだ水は少なくとも万人受けはしないでしょう。
また、炭酸ガス(二酸化炭素)は沸騰させると飛ぶため、コーヒーに関係するケースは決して多くありませんが、水出しコーヒーには関係するためここで取り上げます。
炭酸ガスを多く含む水ほど清涼感がありますが、含有量が多すぎるとまろやかさが無くなります。
「炭酸水」や「気の抜けた炭酸水(といっても多少の炭酸ガスは残るでしょう)」をイメージして頂くとわかりやすいでしょうか。
清涼感はあるものの、まろやかではありませんよね。
単純な美味しさとは別視点
ここまでの話を無視するようですが、実は私は、水とは最も体に馴染んだものであり、抵抗なく自然に喉を通る水こそが美味しい水であると考えています
馴染んだ水
湧き水を愛し、タンクを持って水汲みに行く方は多くいるものです。
そういった趣味を持つ知人達からこんな話を聞きました。
人にとって水とは地元の水道水……子供の頃から飲んできた水も水道水、ご飯を炊くのに使ってきた水も水道水、お風呂のお湯も水道水……純水に触れる機会はほぼありません。
とはいえ水道水は塩素(カルキ)臭があるため、慣れているとはいえ飲むときは流石に気になってしまう。
そこで、地元の水道局が採水している川などを、さらに源流の湧き水まで辿り、最も馴染んだ水だからと山中まで汲みに行くこだわり派はそれなりに多いのだとか。
(地域によっては、複数の水源の水を混ぜて水道水にしていたり、水源が地下水だったりといったケースもありますので、必ずしも単一の源流に絞り込んだり湧き水を汲みに行ったりできるとは限りません)
どうやら馴染んだ水に魅力を感じるのは私だけではないようです。
馴染む水
私は、毎日の生活に無理なく取り入れられる水を求めています。
ですから先の例のように、遠く離れた水道水の源流まで水汲みに行くことはしません。
その代わり、自宅から比較的近い地域で湧き水を探して、そして幸運にも、自然に喉を通る水を見つけました。
私は焙煎後の味見でも普段のドリップでも、この湧き水を使います。
したがって、私の焙煎/豆の挽き目/湯温/ドリップは、この水で淹れて美味しくなるように知らず知らず調整されているはずで、他のどんな水より私の思い通りの味が作れるのです。
選んだ水を「使い続けること」が1番の水選びかもしれません(私の結論です)。
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