ドリップスケール、使っていますか?
料理用スケール(秤:はかり)とは違うの?
という基本的なことから使い方、そして代替品はあるのかという点まで、説明していきます。

ドリップスケール? 料理用スケールとは違うの?
パッと見、料理用スケールに見えると思いますが、ドリップスケールは重さに加えて時間も同時計測できます。
言ってみれば、ストップウォッチ機能が付いた料理用スケールと言った感じでしょうか。
仕様用途
重さは注湯量/抽出量(違いは後述)を知るため、時間は注湯タイミングをつかむために計測します。
「ドリップ開始から〇秒で〇g注ぐ」(コーヒードリップではこれをレシピと呼びます)と決めることで、何度淹れても同様の味が作れるようになります。
つまり「美味しく淹れられるときもあるけど、そうでもないときもある」という事態を避けられるということですね。
美味しく淹れられたときのレシピを憶えておけば、次回以降も同じレシピで淹れましょう。
また、プロのレシピが書籍などで公開されることがあり、それを真似することはドリップ技術向上の近道です。
最終的には個々人が淹れ方をアレンジするのも楽しいものですが、まず基本を真似できるようになってからですね。
時間と重さをきっちり測って淹れると聞くと、コーヒーに深くはまった上級者向きの器具と認識されてしまうかもしれませんが、初心者がコーヒードリップを学ぶときにも便利な器具です。
なお、上級者でも使いますので、使い始めたドリップスケールは長く使えると思います。
「注湯量」と「抽出量」
ドリップスケールでは「注湯量」と「抽出量」のいずれかを計測します。

注湯量(左写真):抽出されたコーヒーだけでなく、粉やフィルターが吸うお湯も含めた重さ
抽出量(右写真):抽出されたコーヒーだけの重さ
どちらを測るべきかは別記事(下記)で書いています。
抽出量を計測するにはドリップスタンドが必要です。
あるいは手でドリッパーを持つかですが、ネルドリップでもない限り手で持って淹れることはまずないですよね。
コーヒー豆(粉)とお湯の比率
コーヒー豆(粉)とお湯の量の比率は1:16程度が良いとされます。
例えば
- コーヒー豆(粉)10gに対し、注湯量 160g
- コーヒー豆(粉)15gに対し、注湯量 240g
- コーヒー豆(粉)20gに対し、注湯量 320g
という分量でドリップします。
ただし、人の好みは千差万別。
まず1:16で試して、より濃い(薄い)方が好みだと思ったら比率を変える……こうして自分好みのコーヒーを淹れられるようにしていきます。

代替品と、代替品ではダメな理由
料理用スケールとストップウォッチ(スマホの機能でもOK)を併用すれば代用できます。
まずはそのように試してみてはいかがでしょうか。
私も昔はそうしていたのです……が、スケールとストップウォッチの間を視線が行ったり来たりというのは意外に面倒で、結局ドリップスケールを購入しました。
ドリップスケールは時間と重さが隣り合って表示されるために視線移動が最小限で済むのが、代替品に勝る点です。
ドリップ以外の用途
ドリップスケールはコーヒー豆の計量にも使えます。

焙煎度によりコーヒー豆の密度は変わります。
深く煎るほどコーヒー豆の水分などが飛び、なおかつ膨張するため、深煎りの方が密度が低いのです。

上写真の左が浅煎りの豆、右が深煎りの豆です。
「深煎り豆は山盛り1杯」などと決めてコーヒーメジャーで測るのもありだと思いますが、スケールで測ればより正確に測れますね。
コーヒー豆の計量が正確であれば何度淹れても同じ濃さで淹れられます。
最後に
「コーヒー豆を買って帰ってきたら、同じ豆を使っているはずの喫茶店ほど美味しくドリップできない」という経験はないでしょうか(私はあります)。
お店の味に追いつこうと、コーヒー豆を買ってきた方が安いのに何度もお店で飲んで味を覚えて、家でドリップして何度も失敗して……そうしてある程度の技術を身に着けた後で、私はドリップスケールを購入しました。
今では購入するのが遅かったと後悔しています。
ドリップスケールを使用して、プロのレシピを真似すればもっと早く技術が向上したのにな、と。
ドリップ技術を高めようとする方に、早めのドリップスケール導入をおすすめします。
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