フライパンコーヒー豆焙煎①[屋内で練習]

焙煎 焙煎

コーヒー豆のフライパン(スキレット)焙煎に挑戦します。

①(本記事)は練習です。フライパン焙煎は初めてですので、まず火力の安定するカセットコンロを使って風の無い屋内で実施します。
②(別記事:近日公開予定)ではアウトドアで焚き火フライパン焙煎しようと思います。

フライパン焙煎の長所

まず、フライパン焙煎の長所を挙げます。
正確には「手網焙煎などの家庭で実施できる主な焙煎方式にはない長所」ですね。

  1. 手網/手鍋を新調する必要がない
  2. 腕が疲れ難い
  3. ガスコンロ・IHクッキングヒーターで焙煎できる
  4. コーヒー豆がよく見える(焙煎しやすい)
  5. 焚き火でも安定して豆に加熱できる

1つずつ詳細に説明します。

1.手網/手鍋を新調する必要がない

家庭でコーヒー豆を焙煎する場合、選択肢として真っ先に挙がるのが手網/手鍋焙煎でしょう。

このうち手網焙煎を始める方は、手網を新調することが多いと思います(銀杏などを煎るために持っているという方もいるとは思いますが)。
ザルなどを組み合わせて自作する方も多いかもしれませんね。

手鍋焙煎の場合、どの家庭にも鍋はあるでしょうからそれを使えばいい……かというと必ずしもそんなことはなく、軽いものが振りやすい(疲れ難い)からと100均などで軽い鍋を新調する方が多いのではないでしょうか?
手鍋焙煎でも、鍋を振るのではなく調理用ヘラなどで豆を攪拌する場合には、重い鍋でも問題ないでしょうから自宅にある鍋を使えます。
ただ、振らないなら鍋ほど縁に高さは要りませんし、フライパンくらい縁が低い方がヘラで攪拌しやすいでしょう。

フライパン焙煎は自宅にあるフライパンで実施可能ですから、新調する必要がありません。
私は今回スキレット(アウトドアなどで使われる鉄フライパン)を使いますが、普通のフライパンでも問題ありません。

フライパン(炒め物)

2.腕が疲れ難い

手網/手鍋焙煎を経験した方は、腕の疲れを感じたことがあると思います。
左手で振って、しかし疲れてきて右手に持ち替え……など、工夫しながら焙煎するのではないでしょうか(私はそうです)。

しかし、フライパン焙煎では、フライパンは振らずに調理用ヘラでコーヒー豆を攪拌しますから、手網/手鍋を振るより疲れ難いはずです。

焙煎

3.ガスコンロ・IHクッキングヒーターで焙煎できる

ここで「ガスコンロ」と呼んでいるのはキッチンに設置されているアレです(鍋物などに使う「カセットコンロ」ではありません)。
ほとんどのガスコンロには安全装置が付いており、五徳に何も乗せていないと火が消えてしまいます。

ガスコンロ

手網焙煎の場合には、五徳から離して手網を振りますからガスコンロだと火が消えてしまいます。
また、IHクッキングヒーターはそもそも火が出ませんから、これも手網焙煎では使えません。

だから、手網焙煎ではカセットコンロ(鍋物などに使う、カセットボンベを使うアレ)が使われることが多い訳です。

一方、フライパン焙煎では五徳に乗せっぱなし(フライパンを振るやり方もありますが、今回は調理用ヘラで攪拌しますからフライパンは動かしません)ですから、ガスコンロや(IH対応のフライパンなら)IHクッキングヒーターが使えます
カセットボンベという消耗品を購入する必要も、また空のボンベの廃棄の手間をかける必要もない分、非常に楽です。

まあ、私は今回カセットコンロを使うのですけどね (*'▽')

4.コーヒー豆がよく見える(焙煎しやすい)

手網/手鍋焙煎では、常時振って攪拌しますから、コーヒー豆をじっくり見ながら焙煎するのは難しいです。
手を止めて豆の様子を見つつ焙煎するか、経験を積んで香り、音、煙などから焙煎度を判断できるよう技術を磨く必要があります。

その点、フライパン焙煎では、日頃の料理のように豆の様子を観察しながら攪拌の具合を調整できます。

5.焚き火でも安定して豆に加熱できる

焚き火はガスの火ほど火力が安定しません。
アウトドアでは風や気温もその時々ですから余計に安定しません。
手網焙煎だとこの点に苦労するのです。

しかし、フライパンは蓄熱し、焚き火の火力が安定しなくても、ある程度安定して焙煎できます。

焚き火

用意するもの

用意するものを以下に羅列します。

  • フライパン(今回はスキレット)
  • 調理用ヘラ(今回は木べら)
  • 熱源(カセットコンロとカセットボンベ。あるいは、焚き火台やウッドストーブと薪)
  • 生豆
  • ザル(あればベター。無くても焙煎できる)
  • うちわ(あればベター。無くても焙煎できる)
用意するもの

生豆を購入する際、多くは1kg単位で販売されており、これは初めての焙煎には少々多いと感じるかもしれません。
初めは下記くらいの量が良いと思います。

ザルとうちわは焙煎豆の冷却用です。
焙煎が終了しても豆をフライパンに乗せたままでいると、フライパンと豆自体の余熱により焙煎が進んでしまいます。
狙った焙煎度で止めるため、豆をザルに移し、上から下からうちわで仰いで効率的に冷却します。

なお、焙煎が進むことを許容できるなら、用意する器具を減らすため、ザルもうちわも使わず何らかの器に焙煎豆を移して冷めるまで放置しても構いません。

焙煎

焙煎には「チャフ」「1ハゼ」「2ハゼ」の予備知識が必要です。
下記の記事で記述しました。

下記は手網を使った際の焙煎の流れですが、フライパン焙煎でもこれを目標にします。

焙煎の流れ

火加減は弱火と中火の間くらいです。
まずは予熱し、生豆を入れたタイミングを0秒(0分)とみなし、上の流れを意識して焙煎を進めます。

調理用ヘラで攪拌しながら焙煎を進めます。

フライパン焙煎について調べると、初めは攪拌の頻度は少なめで、と説明されていることも多いのですが……私としてはムラの無い焙煎のために最初からそれなりの頻度で攪拌すべきと思います。

全ての豆を動かすようにヘラでしっかり攪拌し、3~5秒放置してしっかり熱を与えたらまた攪拌……を繰り返します。

開始から2~3分程度でチャフ(豆の表面の薄皮)が剥がれ始めたら、火加減はちょうど良いと思います。
これより早ければ火力が強すぎ、遅ければ弱すぎですので、これを目安に火力を調整してください。

その後チャフの剥離が進み、また段々と豆が色付いてきます。

焙煎

開始から8~10分で1ハゼが始まるとちょうど良い火加減だと思います。

1ハゼは2分間程度で落ち着いてきます。
もっと長く続くようなら、ハゼの音に慌てて攪拌し過ぎて火の通りが遅いか、逆に攪拌が足らずに煎りムラが生じてしまっているかだと思います。
1ハゼを2分間程度で終わらせることを目標に、攪拌の頻度を調整します。

その後さらに焙煎を続けて煙が増える頃、2ハゼの小刻みな音が聞こえてきます。

下記を意識しつつ、好みの焙煎度で煎り止め(焙煎を終えること)します。

  • 浅煎り:1ハゼ半ば~1ハゼ終了
  • 中煎り:1ハゼ直後~2ハゼ開始
  • 深煎り:2ハゼ開始直後~2ハゼ半ば(これを超えると苦過ぎ)

焙煎が終わったらすぐザルに焙煎豆を移し、うちわで風を送って冷まします。
これは余熱で想定より焙煎が深くなってしまうことを防ぐためです。

焙煎豆

今回は2ハゼ開始くらいのタイミングで煎り止めしました(中煎りの終わりくらい。シティロースト)。
少々煎りムラがありますが、今回初めてフライパン焙煎に挑戦したことを考えると上出来でしょう。

なお、今回は練習のため30gという少量の生豆を焙煎しています(未熟で失敗しても少量なら後悔が少ない)が、本来はもっと多めの方が煎りムラは減ると思われます。
というのも、焙煎が比較的進んだ豆から進んでいない豆に熱が移ることで焙煎度が均一化されますが、これにはある程度豆が密になっている必要があるからです。
逆に豆が多すぎても煎りムラになりますが、せめて豆を均したときにフライパンの底面が見えなくなるくらいの量はあった方が良いと思います。

飲んでみよう。感想も

早速淹れてみます。

おお! ちゃんと美味しいです (*'▽')

実践した感想ですが、コーヒー豆をじっくり見ることができるため非常に焙煎しやすいです。

初挑戦でいきなりプロ並みという訳にはいきませんが、それはコーヒー豆の焙煎に限った話ではありません。
よっぽどの料理上手でもない限り、日頃からプロ並みの炒め物を作っている訳じゃないですよね。

「自分で煎って飲む」ことを純粋に楽しむなら、フライパン焙煎はかなりハードルが低いと思います。

手網焙煎の場合には、手網を振り続けるという、普段から焙煎する方以外には馴染みのないやり方でしか焙煎できません。
しかし、フライパン焙煎は、フライパンを五徳に置きっぱなしにして、木べらなどの調理用ヘラにより攪拌するという、普通の料理とよく似た方法で加熱します。
そのため、普段から料理をする方なら、どのくらい攪拌すると焦がさずに焙煎できるか勘が働くと思います。

最後に

最後まで読んで頂いてありがとうございます。

フライパン焙煎に挑戦したので今回記事にしてみました。

「プロ並みの料理はできなくても、自炊して食べるのが楽しい」という経験をしたことのある方はそれなりに多いと思います。
プロ並みに仕上がらなくても楽しいですよね。
同様のスタンスで、自分で煎って飲むことを純粋に楽しむために、気楽に挑戦してはいかがでしょうか。
その際、料理する感覚で挑戦しやすいのがフライパン焙煎だと感じました。

アウトドアで焚き火フライパン焙煎に挑戦したときのことは別記事にて。

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